• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

階層的血球分化モデルに基づく白血病幹細胞の純化・同定

研究課題

研究課題/領域番号 19790669
研究機関九州大学

研究代表者

亀崎 健次郎  九州大学, 大学病院, 助教 (70380433)

キーワード白血病 / 幹細胞 / 分化 / 自己複製
研究概要

フローサイトメトリーにより、正常造血での造血幹細胞(HSC)および前駆細胞群、骨髄球共通前駆細胞(CMP)、顆粒球/単球系前駆細胞(GMP)、巨核球/赤芽球系前駆細胞(MEP)と対比させながら、急性骨髄性白血病(AML)と骨髄異形成症候群(MDS)の検体で、前駆細胞群をソートして解析した。リアルタイムPCR法では、MDSの病期が進行するにつれて造血幹細胞・前駆細胞群において、抗アポトーシス遺伝子MCL-1の発現が亢進していた。また自己複製に重要なBmi-1は病期が進行するにつれてGMPで発現の亢進を認めた。これらの結果より、MCL-1がMDSの生存因子として働き、さらにBmi-1の過剰発現がGMPレベルで起こり、白血病幹細胞化している可能性が示唆された。また、AML・MDSのCD34^+CD38^-分画におけるMCL-1と向アポトーシス遺伝子NOXAの発現バランスについて検討した。既報のcell lineにおける検討では、NOXAとMCL-1は負の相関を示すことが予想されたが、MDS/AML検体ではNOXAとMCL-1には正の相関を認めた。病期の進展に伴いMCL-1が高発現して細胞が不死化する機構に対して、負に制御するようNOXAの発現も上昇しており、NOXA/MCL-1バランスがMDSの進展とAML発症に重要な役割を担っていることが示唆される。MDS/AML発症には、分化増殖の調節機構が破綻し、ある分化段階以降の分化が阻害され、幼弱な芽球が蓄積して発症する。そこで, PU.1, C/EBPα, GATA-1など骨髄球系分化を制御する転写因子の発現量の比較を検索し、MDSおよびAML発症の関与を検討した。MDS病期が進行するにつれ、GMPにおけるPU.1とC/EBPα発現量が低下しており、分化停止が生じている可能性が示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Disseminated tuberculosis following second unrelated cord blood tran splantation for acute myelogenous leukemia2009

    • 著者名/発表者名
      Shima T, Kamezaki K, et.al.
    • 雑誌名

      Transpl Infect Dis 11

      ページ: 75-77

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Successful treatment of parainfluenza virus 3 pneumonia with oral ribavirin and methylprednisolone in a bone marrow transplant recipient2008

    • 著者名/発表者名
      Shima T, Kamezaki K, et.al.
    • 雑誌名

      Int J Hematol 88

      ページ: 336-340

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Additional acquisition of t(1 ; 21)(p32 ; q22) in a patient relapsing with acute myelogenous leukemia with NUP98-HOXA92008

    • 著者名/発表者名
      Aoki T, Kamezaki K, et.al.
    • 雑誌名

      Int J Hematol 88

      ページ: 571-574

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi