研究概要 |
白血病の原因遺伝子として転写因子と考えられているEvi1を同定しており、機能解析を通して治療に貢献しようとしている。解析の過程で、Evi1が過剰にアセチル化されていることが判明し、アセチル化機構解明が白血病の治療につながると考え、以下の研究を行った。 Evi1アセチル化によるDNA結合活性への影響 これまでにEvi1の564番目のlysineがアセチル化されることがその活性に重要であることが判明し、564Lysのアセチル化を認識する抗体も作製している。Evi1は転写因子として機能していることからGATA2 promoterへの結合活性をクロマチン免疫沈降(CHIP)により調べた。アセチル化酵素であるP/CAFが存在するとCHIPの結果、EVI1はGATA2 promoterへの結合が強まり、転写活性化能も増強することが分かった。また、Evi1564Lys変異体でも同様にCHIPを行った結果、promoterに結合していないことが明らかになった。同時にゲルシフトアッセイにより既知のEVI1認識DNA配列に対する結合活性も検討した。その結果、Evi1564Lys変異体は既知のEVI1認識配列に結合していないことが判明した。このことから、564Lys非アセチル化Evi1はDNA結合活性が消失しているもしくは認識配列が変化していると推測される。現在、これまでの結果を投稿中である(JBC, revised).
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