研究課題
成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルス(HTLV-1)に特異的なCTLの誘導を抗腫瘍免疫療法のモデルとして、ATL発症予防ワクチン候補のHTLV-1特異的CTLの誘導能をin vivo及びin vitroにおいて解析した。Hepatitis B core(HBc)粒子にHLA-A^*0201が認識するHTLV-l Taxエピトープを挿入したHTLV-1/HBcキメラ粒子を作製した後、HLA-A^*0201改変トランスジェニックマウスに本キメラ粒子を免疫し、その免疫原性を検討した。2回の免疫後、鼠径リンパ節を摘出しin vitroで5日間ペプチド刺激後、CTLの誘導を評価した。ELISPOT法で本粒子免疫群において特異的なIFN-γ反応がみられ、HTLV-1/HBcキメラ粒子の特異的CTL反応誘導が確認できた。またHBc粒子単独で非特異的なIFN-γの反応が確認できたことから、粒子のヘルパー活性によりアジュバント無しで効率的CTL誘導能を有する可能性が示唆された。また、1μMのTaxペプチドをマンノース被覆リボソームに封入した製剤をPBMCと混合培養し、14日後にHTLV-1テトラマーでHTLV-l特異的CTLの誘導効率を検討した。リポソームワクチン処理によりHTLV-l特異的CTLが10-1000倍に増加した。以上の結果より、HTLV-1/HBcキメラ粒子及びマンノース被覆リポソームがin vivo及びin vitroにおいて、アジュバント無しで効率的にHTLV-1特異的CTLを誘導する可能性が示唆された。
すべて 2007 その他
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Journal of Medical Virology 79
ページ: 977-986
Blood 110
ページ: 511
http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~k-blood/