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2007 年度 実績報告書

老化制御因子による白血病発症抑制の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 19790676
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

仁田 英里子  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80401123)

キーワード老化 / ストレス / 幹細胞 / ATM / TERT / がん / 白血病
研究概要

ATMノックアウトマウスの造血幹細胞に於いて、活性酸素と老化因p16^<INK4a>の増加により細胞周期制御が抑制され幹細胞の自己複製能が喪失する機構につき、その分子制御機構を詳細に検討した。
その結果ATMノックアウトマウス個体の老化に際して、細胞老化の際p16^<INK4a>の発現を増加することが知られる転写因子Ets1/2の発現が著明に抑制されており、この現象は若年マウスでは見られず老年マウスで特異的に見られることを明らかにした。このことからin vitro で活性酸素の増加を再現する系を発展させEtsl/2のドミナントネガティブによりノックダウンしたところp16^<INK4a>の増加が抑制された。このことよりATMノックアウトマウス個体の造血幹細胞に於いてはp16^<INK4a>の発現増加による老化がEts1/2の発現抑制により代償的に調節されていることを示唆した。
マウスはヒトに比べてテロメアが長く世代を重ねなければテロメア短縮による影響が現れない為、テロメア延長とは異なった機構によりTERTが細胞内で持つ役割を解析できることを応用し、TERTが酸化的ストレス応答と老化制御に果たす役割を明らかにすると同時にATM・TERT両分子の協調による分子機構を解明する為、ATM・TERTダブルノックアウトマウスを作成した。その結果、野生型のマウスに対し てATMノックアウトマウスの寿命が短縮するのに付加して、ATM・TERTダブルノックアウトマウスの寿命は更に短縮することを明らかにした。TERTノックアウトマウスの寿命は野生型と変わりないことから、ATM・TERT両分子は個体レベルでの老化やストレス応答に対する生体内での恊調した機能を持つことを示唆した。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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