• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

末梢性T細胞リンパ腫のゲノム異常解析と遺伝子発現解析による疾患単位の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790678
研究機関愛知県がんセンター研究

研究代表者

中川 雅夫  愛知県がんセンター(研究所), 遺伝子医療研究部, 主任研究員 (80435859)

キーワード末梢性T細胞リンパ腫・分類不能型 / アレイCGH
研究概要

末梢性T細胞リンパ腫は明確な疾患単位に分類し得ない症例は末梢性T細胞リンパ腫、分類不能型(PTCL-U)として扱われており,実際は複数の疾患が含まれていると考えられる。PTCL-Uは末梢性T細胞リンパ腫全体の半数近くを占めており,その再分類は重要なテーマである。これまで様々にその分類が検討されてきたが,いまだ明確な疾患グループを特徴付ける報告はない。またPTCL-Uに特徴的なゲノム異常も明らかにされていない。そこで本研究においてPTCL-Uのゲノム異常をアレイCGH法を用いて解析し,病理組織診断,臨床病態と相関させ,予後の異なるサブグループが抽出できるかを検討した。すでに施行済みであった20症例に加えて,本研究において新たに31例の末梢性T細胞リンパ腫、分類不能型(PTCL-U)症例に対してアレイCGHを行った。全51症例を解析した結果,ゲノム異常を見出せた症例26例と見出せなかった25症例に大きく分類できることを明らかにした。この二群において予後を比較するとゲノム異常を有する症例は有しない症例に比較して優位に予後不良であることが判明した。また,病理形態学的検討ではゲノム異常を有する症例は核異型を伴い,核の大きさは大小様々な所見を呈する症例が多いことも明らかにすることができた。一方,ゲノム異常を見出せなかった症例では,類上皮細胞浸潤や,好塩基球、形質細胞浸潤,血管細胞の増生などの腫瘍以外の細胞が増えていることも明らかにすることができた。PTCL-Uがゲノム異常のみならず,予後、病理像にも相関する二つのサブグループに分類できることをはじめて明らかにできた本研究結果は末梢性T細胞リンパ腫研究において非常に重要な知見である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] TNFAIP3 is the target gene of chromosome band 6q23.3-q24.1 loss in ocular adnexal marginal zone B cell lymphoma2008

    • 著者名/発表者名
      Keiichiro Honma
    • 雑誌名

      Genes Chromosomes Cancer 47

      ページ: 1-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chromosomal imbalances are associated with outcome of Helicobacter pylori eradication in t(11;18)(g21;q21)negative gastric mucosa-associated lymphoid tissue lymphomas2007

    • 著者名/発表者名
      Noriko Fukuhara
    • 雑誌名

      Genes Chromosomes Cancer 46

      ページ: 784-90

    • 査読あり
  • [学会発表] Array CGH analysis for PTCL-U revealed a distinct subgroup with pathological and clinical relevance2007

    • 著者名/発表者名
      Masao Nakagawa
    • 学会等名
      The American Society of Hematology 49th Annual Meeting and Exposition
    • 発表場所
      Altanta,USA
    • 年月日
      20071200
  • [学会発表] アレイCGH解析によるPTCL-U再分類の可能性2007

    • 著者名/発表者名
      中川 雅夫
    • 学会等名
      第69回日本血液学会総会・第49回日本臨床血液学会総
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-10-11
  • [学会発表] Comparison of PTCL-U and lymphoma-type ATLL in tems of genomic imbalance by using array CGH analysis2007

    • 著者名/発表者名
      中川 雅夫
    • 学会等名
      第66回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-10-05

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi