自己免疫疾患の中では珍しい常染色体劣性遺伝の単一遺伝子疾患であるAPECED(自己免疫性多腺性内分泌不全症-カンジダ症-外胚葉性ジストロフィー)の原因遺伝子として同定された自己免疫調節遺伝子AIREは、末梢組織特異的遺伝子の異所性発現を支配し、免疫学的寛容の成立に関与している。 マウス胸腺上皮細胞由来Aire^+細胞株におけるAireの発現をノックダウンするための標的配列をエキソン5、7(2つ)8、10、12と3'UTR上に7つデザインし、PENTR/H1/TOベクターに各オりゴヌクレオチドをクローニングした。さらにH1/TO pol lllプロモーター+各標的配列オリゴヌクレオチドのDNA断片を、Blasticidin耐性遺伝子をもつpLenti6/Block-iT DESTベクターにGatewayテクノロジーにてサブクローニングした。これらのプラスミドDNAをAire^+細胞に形質転換させた後、プラスミドが安定に導入されたAire^+細胞を約9日間で選択するためのBlasticidin最適培養条件を求めた。薬剤選択されたAire^+細胞において、どの標的配列が高いAireノックダウン効率を示すかを解析した。胸腺上皮細胞系と樹状細胞系Aire^+細胞において、エキソン12上の標的配列でそれぞれ57倍と500倍の高いノックダウン効率を示した。Aire^+細胞とAireを過剰発現させたAire^<+/high>細胞、AireをノックダウンしたAire^<+/low>細胞間における複数の末梢組織特異的遺伝子の発現量をリアルタイムRT-PCR法により比較解析した。
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