本研究では、複数のTreg subtypeを含むT細胞群を同一の系で扱うことにより、これらの分類の境界線を明確にするとともに、それぞれの制御能を検証していることに特徴としていた。それらのTregを活性化、活性化T細胞と共培養した上清中のサイトカインバランスを他種類コントロール細胞上清と比較検討することにより、そのTh1/Th2制御能を検証したことにより、それぞれの特徴が見えてきた。制御に関してのみならず、それぞれが異なる分化経路をたどっており、その鍵となる分子の候補も絞られてきた。 Foxp3+CD4+細胞がアレルギー疾患の診断に応用できることを明らかにし、治療、予防方法の一つとしてTr1の応用が候補になることも示してきた。これらにより、日本の小学生の約半数にまで増加してしまったアレルギー発症率の低下、重症度の軽減に一歩でも近づく医療体制実現への可能性が期待される。
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