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2008 年度 実績報告書

血球貪食症候群における臓器障害メカニズムの細胞レベルでの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790709
研究機関群馬大学

研究代表者

田村 一志  群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70396646)

キーワード血球貪食症候群 / 高サイトカイン血症 / サイトカイン / ケモカイン / 臓器障害 / 治療反応性
研究概要

1. 研究目的
血球貪食症候群は、高サイトカイン血症による臨床症状、検査所見の変化をきたす疾患群である本研究では、血球貪食症候群症例の血中サイトカインを経時的に測定し、臨床プロブナイルと合わせて解析することで、高サイトカイン血症に基づく病態の解明、臓器障害メカニズムの細胞レベルでの解明を目指した。
2. 研究実施経過
自施設および他施設より提供していただいた血球貪食症候群7症例とコントロール症例において血清中の20種類のサイトカナイトカイン濃度を測定した。血球貪食症候群症例に関しでは、治療経過とともに経時的にサイトカンの測定を施行した。得られたデータを統計学的に解析をし、比較検討した。さらに臨床経過、他の血液検査所見と合わせて解析を行った。
3. 結果
血球貪食症候群7症例において、急性期にコントロール軍と比較し血中IL-2、TNF-α、MCP-1、MIP-1β、IL-8、IFN-γ、IP-10濃度の有意な高値を認めた。とこれらの値は寛解期には低下を認めた。さらに3症例について治療経過と合わせて解析すると、特にMCP-1とMIP-18β、IL-^8に関しては従来の血液マーカー(LDH、フェリチン、トランスアミナーゼ)と比較してより鋭敏な変動を示すことが認められた。統計学的な解析では、MCP-1とMIP-1βの間に相関を認めた。
以上の結果より、血球貪食症候群の病態において、IL-2、TNF-α、MCP-1、MIP-1β、IL-8、IFN-γ、IP-10といったサイトカインが重要な役割を果たしており特にMCP-1とMIP-1、IL-^8が病勢を鋭敏に反映していることを本研究で初めて示した。これら3種類のサイトカインの変動は従来の血球貪食症候群の活動性マーカーであるフェリテンやLDH、トランスアミナーゼといった血液テータよりも鋭敏であり、治療効果判定および治療方針の決定に有用なデータとして期待できると思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Increased serum monocyte chemoattraCtant potein-1, macrophage inflammatory potein-1b, and interleukin-8 concentrations in hemophagocytic lymphohistiocytosis2008

    • 著者名/発表者名
      田村一志
    • 雑誌名

      Pediatric Blood and Cancer 51

      ページ: 662-668

    • 査読あり
  • [学会発表] 血球貪食症候群の病勢評価における血清MCP-1とMIP-1β、IL-8濃度の有用性2008

    • 著者名/発表者名
      田村一志
    • 学会等名
      第111回日本小児科学会学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-04-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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