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2007 年度 実績報告書

11q23転座型急性白血病に対するFLT3阻害剤を用いた分子標的療法

研究課題

研究課題/領域番号 19790712
研究機関山梨大学

研究代表者

高橋 和也  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (30422687)

キーワードFLT3 / 11q23転座 / FLT3阻害剤 / ALL
研究概要

予後不良の疾患と考えられている11q23転座型白血病で,FLT3が高レベルで発現し,恒常的にリン酸化されていることが報告された。この11q23転座型白血病に対する新たな治療の可能性を探るため,FLT3inhibitorであるPKC412の,抗腫瘍効果とその機序について,明らかにすることを目的として解析を進めている。
まず,FLT3下流の蛋白であるSTAT5,Ras/MAPK,PI3K/Aktについて,PKC412添加後のリン酸化状態の変化をWesternblot法で検討した。構成的にSTAT5,MAPK,Aktが強くリン酸化されていたが,PKC412添加後に,脱リン酸化された。
次に,PKC412添加後のアポトーシス誘導を,AnnexinV/Propidium Iodide(PI)二重染色で解析した。PKC412添加後,annexin V陽性細胞が増加し,またpan caspase inhibitorをpreculture後,PKC412を添加すると,Annexin陽性細胞が著明に減少した。従って,PKC412によるアポトーシスはcaspase-dependentと考えられた。
また,PKC412添加後の細胞周期について,BrdU/PI二重染色で解析したところ,G0/G1 arrestが誘導されていた。機序については,Western blot法による蛋白発現解析により,Cyclin D/CDK4もしくはCyclin E/CDK2複合体の発現低下が関与しているものと考えられた。
さらに,PKC412添加後にアポトーシス関連遺伝子の蛋白発現の変化をWestern blot法で検討したところ,pro-apoptotic蛋白であるBimELの蛋白発現が増加し,FKHRL1が脱リン酸化された。以上より,アポトーシス誘導機序は,FKHRL1の脱リン酸化によるBimの発現増加を介することが示唆された。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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