• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

最新の遺伝子解析技術を駆使した尿細管輸送体異常症の網羅的遺伝子異常の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790720
研究機関神戸大学

研究代表者

野津 寛大  神戸大学, 医学部・附属病院, 助教 (70362796)

キーワード尿細管機能障害 / チャネル・トランスポーター / バーター症候 / ギッテルマン症候群 / 遺伝子解析
研究概要

Bartter症候群(BS)、Gitelman症候群(GS)は常染色体劣性尿細管機能異常症で、低カリウム血症、代謝性アルカローシス、高レニン、高アルドステロン血症などを特徴とする。現在までにI型からV型BSおよびGSの原因遺伝子が既に明らかにされている。日本人におけるこれらの疾患を有する患者において、臨床的および遺伝学的検討はこれまで行われてこなかったが、私たちは今回の研究で、現在までに34例で遺伝子解析による確定診断を行ってきた。内訳は1型11例、II型2例、III型9例、IV型1例、GS11例であった。その結果、典型例ではそのほとんどで遺伝子変異を同定することができ、本疾患においては遺伝子診断率が高い疾患であることが分かった。また、解析方法に関する工夫を行い、尿中落下細胞からmRNAを抽出し、RT-PCRを用いて解析を行うという非侵襲的かつ斬新な方法を導入することで、遺伝子診断率を向上させることに成功し、英文学術誌に投稿を行った(Pediatr Res 2007、Am J Kidney Dis,2008 in press)。さらに、これまでこれらの疾患で遺伝子診断率が低かった原因として、従来の直接シークエンス法による解析では広範囲のヘテロ接合体欠失の検出はできず、BS患者においてはこの変異が多いためであることを明らかにした。そこで、PCR半定量法を導入することで、それらの変異の検出に成功した(Pediatr Res.2007)。また、日本人においては2型BSの報告例はこれまで1例もなかったが、2型BSでは低カリウム血症を認めない症例もいることを明らかとし、診断がついていない症例の存在の可能性を明らかとした(Pediatr Nephrol2007)。現在まで私たちは90%以上の患者において遺伝子変異の検出に成功している。更なる症例の蓄積を行い、日本人におけるこれらの疾患の患者の特徴を明らかとしていく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular analysis of digenic inheritance in Bartter syndrome with sensorineural deafness2008

    • 著者名/発表者名
      Nozu K
    • 雑誌名

      Journal of Medical Genetics (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diverse splicing abnormality caused by a homozygous mutation in the thiazide-se nsitive sodiumchloride cotransporter gene in a patient with Gitelman's syndrome2008

    • 著者名/発表者名
      Iida K
    • 雑誌名

      American Journal of Kidney Disease (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Detection of a transcript abnormality in mRNA of the SLC12A3 gene e xtracted from urinary sediment cells of a patient with Gitelman's syndrome2007

    • 著者名/発表者名
      Kaito H
    • 雑誌名

      Pediatric Research 61

      ページ: 502-502

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A novel mutation in KCNJ1 in a Bartter syndrome case diagnosed as pseudohyp oaldosteronism2007

    • 著者名/発表者名
      Nozu K
    • 雑誌名

      Pediatric Nephrology 22

      ページ: 1219-23

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Molecular Analysis of Patients With Type III Bartter Syndrome: Picking Up Lar ge Heterozygous Deletions With Semiquantitative PCR2007

    • 著者名/発表者名
      Nozu K
    • 雑誌名

      Pediatric Nephrology 62

      ページ: 364-9

    • 査読あり
  • [学会発表] Molecular analysis of 5 Japanese Patients with Type III Bartter Syndrome2008

    • 著者名/発表者名
      Nozu K
    • 学会等名
      14th Congress of the International Pediatric Nephrology Association
    • 発表場所
      Budapest, Hangury
    • 年月日
      2008-09-01

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi