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2008 年度 実績報告書

光時間分解分光法による新生児脳の光学的特性と脳内酸素飽和度、血液量の発達的変化

研究課題

研究課題/領域番号 19790726
研究機関香川大学

研究代表者

伊地知 園子  香川大学, 医学部, 助教 (70437680)

キーワード新生児 / 近赤外線分光法 / 時間分解分光法 / 脳血液量 / 脳内ヘモグロビン酸素飽和度 / 低酸素性虚血性脳症 / 新生児仮死
研究概要

新生児期の脳機能障害の主要な原因である低酸素性虚血性脳症の新生児症例を対象として、近赤外時間分解分光装置near-infrared time-resolved spectroscopy(TRS)によって出生後の脳内ヘモグロビン酸素飽和度(ScO2)、脳血液量(CBV)を経時的に測定し、予後不良群の早期診断が可能であるかを検討した。
対象および方法 : 対象は正期産で出生し、5分後のアプガールスコアが4点以下の重症仮死4症例と対照例として正期産正常児5例。測定に際し両親からの書面による承諾を得た。TRS-10(浜松フォトニクス社製)を用いて前額部で測定を行い、生後早期から生後84時間まで経時的に測定した。ScO_2は酸素化Hbと総Hb濃度の比より、CBVは脳内総Hb濃度、血中Hb濃度より算出し、2例の予後不良例と2例の予後良好例および対照例を比較検討した。
結果 : (1) ScO2は予後不良症例では生後24〜48時間で上昇し、48時間以降高値を示した。(2) CBVは予後不良症例では生後24〜36時間で上昇し、36時間以降高値を示した。(3) 生後47〜62時間のScO2, CBV値により予後不良例と良好例にわけられた。予後良好例と対照例のScO2、CBVは、各々75%以下、3.0ml/100g以下を示したが、予後不良例のそれらは、各々80%以上、3.5ml/100g以上を示した。
考察 : これらの結果は脳組織の自動調節能の喪失と活動低下を反映していると考えられた。今後症例を増やし検討する必要があるが、CBVとScO2を指標として、新生児脳機能障害例の早期診断が可能になることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 早産児における脳内酸素化状態の発達的変化について2008

    • 著者名/発表者名
      伊地知園子
    • 学会等名
      第50回日本小児神経学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-05-30

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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