研究概要 |
小児悪性腫瘍の細胞生物学的特徴や担癌患児自身における正常細胞がもつ抗腫瘍作用、およぴ患児の予後との関連を検討し、これら多因子に加え従来から知られている予後因子を組み合わせて解析することにより、新たな予後因子を解明する。 平成19年度は、小児悪性腫瘍における新たな予後因子を解明するため、小児悪性腫瘍の細胞生物学的特徴や担癌個体由来の正常細胞がもつ抗腫瘍作用および担癌個体におけるサイトカインレベルを検討した。 1.アポトーシス関連分子の発現解明 小児悪性腫瘍患児初発時に正常細胞(リンパ球・NK細胞・単球・好中球)の膜表面に発現しているFasL、TNFαおよびTRAILの発現をそれぞれ定量。さらに腫瘍細胞におけるデスレセプターの定量を施行した。さらに、アポトーシス関連分子の定量(cleaved PARP,Bc1-2,active caspase-3)を測定した。 2.サイトカインなどの発現解析による病態解明 血清サイトカイン・血管新生に関連する分子(IL-1β,IL-2,IL-4,IL-5,IL-6,IL-8,IL-10,IL-12p70,TNF,IFN-γ,RANTES,MIP-1α,MIP-1β,MIG,MCP-1,IP-10,basic FGF,angiogenin,VEGF)をCBA法にて測定した。 今後、これらのデータを早急に解析し、患児の予後との関連を検討し、これら多因子に加え従来から知られている予後因子を組み合わせて解析することにより、新たな予後因子を解明するべく研究をすすめる。
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