高IgD症候群を引き起こすメバロン酸キナーゼの活性低下は現在のところメバロン酸の代謝異常と発熱を伴う炎症との関連については不明である。このため炎症病態における代謝異常症の関係について検討した。 自己炎症症候群を疑う患者の同意を得て末梢白血球からの核酸抽出、シグナル塩基配列領域の増幅、シグナル塩基配列をシークエンス解析した。この自己炎症症候群を疑う患者のなかでメバロン酸の高値を伴う患者を見出し塩基配列解析の結果、1例目と同じ変異を持つ新たな高IgD症候群の家系を見出した。このためG326R変異は日本で潜在していることが推察された。高IgD症候群との鑑別のため家族性地中海熱、TNF受容体関連周期性発熱症候群、CINCA症候群の塩基配列解析も併せて行った。 各患者の発熱期と無熱期のサイトカインプロファイルを比較したところ炎症性サイトカインが明らかに高いため抗サイトカイン抗体を用いた遮断について効果を検討した。 末梢白血球より分離した単球を用いメバロン酸添加時とシンバスタチン添加時のサイトカインのmRNA発現と細胞内タンパク発現により比較した。
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