MLL-AF4及びMLL-AF5q31融合蛋白の白血病発症機序についてレトロウイルス遺伝子発現系を用いて検討した。(1) MLL-AF5q31についてはAF5q31変異体を用いた実験により、AF5q31のC-末端領域が白血病発症に重要であることを明らかにし、その機能としては免疫沈降実験とコロニーアッセイ法を用い、AF4のリクルートが重要である事を明らかにした。しかしながら、白血病のphenotypeとしては骨髄性白血病であり、培養条件の検討を行ったが、リンパ性の白血病の発症は見られなかった。今後の検討課題である。 以上のデータについては、論文化を済ませ、現在投稿中(修正中)である。 (2) MLL-AF4については、レトロウイルス遺伝子発現系では、白血病を誘導は不能であったが、AF4をAf4(マウス由来)に置き換える事により、AF5q31融合蛋白と同様に急性骨髄性白血病の発症を誘導できることを明らかにした。また、白血病発症に必要な領域はAF4ファミリー蛋白に保存されているC末端領域(CHD)であることを明らかにした。AF4-CHDとAf4-CHDの間の機能的な差異について、両蛋白のhybridを用いて検討したところ、mAf4のCHD領域の中央部分が必須である事が明らかとなった。同部位の変異体ではmRNAの安定性が損なわれることが明らかとなり、現在その詳しい機序について解析を進めている。
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