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2008 年度 実績報告書

言語未出現の乳幼児の好みのビデオソフトの内容特性の脳科学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 19790753
研究機関国立成育医療センター(研究所)

研究代表者

大熊 加奈子  国立成育医療センター(研究所), 成育社会医学研究部, 流動研究員 (00399487)

キーワード脳活動 / 言語発達 / 乳幼児 / ビデオソフト / NIRS
研究概要

2003年に行った1歳半児の集団調査から、言語遅れ児が多く好むビデオソフトは長時間傍観的に視聴し易い内容特性を多く有すること、前年度の乳幼児の視聴時の行動と場面属性との解析から、児はヒトが視聴者向きで笑顔で登場する場面をよく視聴し、多くの反応行動を示すことが判明した。そこで、視聴内容による脳活動の相違を検討するため、近赤外線スぺクトロスコピーを用いて成人の脳活動計測を行った。
1. 20〜40歳の男女7名を対象に、言語遅れ児が多く好む代表的ソフト(遅れV)と遅れ無し児が多く好む代表的ソフト(遅れなしV)を2分間ずつと、前後と間に30秒間の風景静止画像を挟んで繋いだビデオを視聴中の前頭部(4×4、24チャンネル)を計測し、対人関係や社会性に関与すると考えられている眼窩前頭部付近のchについて調べた。視聴中はいずれの協力者も数カ所で血流上昇(数秒間上昇し、下降)がみられ、頻度は遅れなしVの方が遅れVよりも有意に多かった(p<0.01)。上昇箇所は多くの協力者で共通し、97.4%は視聴者への語りかけがある場面であった。視聴中の平均Oxy-Hb量は、風景静止画像に比して、遅れなしVでは5名が有意に増加したが、遅れVでは4名が有意に減少した。視聴内容によって脳活動が異なる可能性が示唆されたため、今後は測定部位を追加して詳細に解析し、発達-の影響を検討する。
2. 20〜40歳の女性3名を対象に、上記の行動観察で使用した12分間の呈示ビデオ視聴時の前頭部と両側頭部、後頭部を計測した。場面属性と血流動態の関係を調べたところ、いずれの協力者も全場面を通して第一次視覚野付近の血流量が上昇し、ヒトが視聴者向きで笑顔で歌い踊る場面で前頭部の血流上昇頻度が多い候向が見られた。今後例数を増やし、上記の乳幼児の視聴時の反応行動の解析結果との照合を行う。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Apreliminary study on the relationship between characteristics of TV content and delayed speech development in young children2009

    • 著者名/発表者名
      Kanako Okuma
    • 雑誌名

      Infant behavior and development (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 現代社会における映像メディアと親子のコミュニケーション2008

    • 著者名/発表者名
      谷村雅子
    • 雑誌名

      小児心身研究

      ページ: 7-14

  • [雑誌論文] 小児を取り巻く環境の変化-言語発達とメディア視聴との関係2008

    • 著者名/発表者名
      谷村雅子
    • 雑誌名

      JOHNS 24

      ページ: 853-857

  • [学会発表] 乳幼児のテレビ視聴時の反応行動と視聴内容属性2009

    • 著者名/発表者名
      大熊加奈子
    • 学会等名
      日本発達心理学会第20回大会
    • 発表場所
      日本女子大学(東京)
    • 年月日
      2009-03-05
  • [学会発表] テレビ・ビデオの内容特性と乳幼児の言語発達の遅れとの関連性2008

    • 著者名/発表者名
      大熊加奈子
    • 学会等名
      第55回日本小児保健学会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(札幌)
    • 年月日
      2008-09-26
  • [学会発表] テレビ・ビデオ長時間視聴と言語発達の遅れとの因果関係2008

    • 著者名/発表者名
      谷村雅子
    • 学会等名
      第55回日本小児保健学会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(札幌)
    • 年月日
      2008-09-26

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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