異種動物成分を排除したヒ下間葉系幹細胞培養法・維持法の標準化(完全ヒト型培養システムの開発) 臍帯血・子宮内膜・月経血・胎盤・脂肪などのヒト組織から間葉系幹細胞を誘導し、その際、ヒト血清ならびにヒト液性因子のみ、あるいは無血清培地を用いた培養法を確立しつつある。 ヒト間葉系幹細胞の規格化 得られたヒト幹細胞に対して、網羅的発現遺伝子解析(Affimetrix社GeneChipによる解析)ならびにモノクローナル抗体を用いた既知の分子発現解析を行った。使用するモノクローナル抗体は、ヒトES細胞のマーカーとして知られているSSEA分子群、TRA1、Oct-3/-4、STR0-1等の間葉系幹細胞候補マーカーも含んでいる。 免疫トレランスのメカニズムの解明 GFP発現c57BL/6マウス由来の細胞をBALB/cマウス胎児への細胞移植後、移植細胞の胎児への生着率を検討した。同様にGFP発現c57BL/6マウスの骨髄から採取した造血幹細胞を、重症免疫不全症マウスの胎齢14日目のマウス胎児の腹腔内もしくは卵黄嚢静脈内に、それぞれ5および20×10^6細胞/胎児に調製して投与した。胎齢20日に分娩となった新生児マウスを飼育して、生後4週間目となる時期にマウス末梢血を採取し、単核細胞を抽出したのちドナー特異的な抗体を結合させ、フローサイトメトリーを用いてドナー細胞の生者率について分析を行った。 筋ジストロフィーのモデルマウスに対する治療実験 骨格筋に分化する幹細胞(子宮内膜由来前駆細胞、臍帯血由来間葉系幹細胞)を筋ジストロフィーのモデルマウスへ子宮内移植をすることによってキメラマウスを作成し、骨格筋の再生および症状の改善の有無と程度について、免疫染色もしくはGFPの発現の有無による検討を行なった.
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