GFP発現c57BL/6マウスの骨髄から採取した造血幹細胞を、BALB/cマウスの胎齢14日目の胎仔卵黄嚢静脈内に、20×10^6細胞/胎児に調製して投与した。生後4週間目となる時期にマウス末梢血を採取し、フローサイトメトリーを用いてドナー細胞の生着率について分析を行った結果、20%に至るドナー細胞の生着が確認された。1~10%程度の生着率で先天性代謝異常症の治療となることから、胎児期に進行する脳神経症状や骨形成異常などの症状に対する有効な治療法となる可能性が示唆された。さらに、臍帯血・子宮内膜・月経血・胎盤・脂肪などのヒト組織から造血幹細胞以外の間葉系幹細胞を誘導し、その際、ヒト血清ならびにヒト液性因子のみ、あるいは無血清培地を用いた培養法を確立した。また、得られたヒト幹細胞に対して網羅的遺伝子発現解析、ならびにSSEA分子群、TRA1、Oct-3/-4、STRO-1等の間葉系幹細胞候補を用いて分子発現解析を行い、規格設定を行った。
|