皮膚特異的TACEトランスジェニックマウスの作成 Human TACE cDNA、およびdominant negative体をケラチン14プロモーターの下流につなげたコンストラクトを作成する過程で、Kozak配列を入れたコンストラクトを作るために、これらのcDNAを鋳型としてPCR後、シークエンスして確認した。 皮膚におけるTACEの新たな機能 TACEは創傷治癒過程において表皮に発現が亢進することを見出していたが、今回の解析の結果、創傷治癒過程で発現が亢進する、あるケモカインの発現を調節することを明らかにした。このことはTACEがTGF-αやHB-EGFといったケラチノサイトの遊走に関わる分子のsheddingを介して創傷治癒に関与するだけでなく、TACEはケモカインの発現を調節し、創傷治癒時の炎症細胞のコントロールを行なっている可能性があるという新たな知見である。現在、皮膚に発現するケモカインの中で、TACEにより発現が調節されるケモカインを検索中である。さらにTACEがどのように発現を調節しているか明らかにするために、TACEの基質を阻害し解析している。 その他 ケラチノサイトにおけるTACEの発現がどのように調節されているか殆ど明らかにされていない。今回、細胞周期を調節する様々な薬剤を培養細胞に添加し、TACE mRNAの発現を検討したが、明らかな結果は得られなかった。
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