皮膚筋炎には多数の自己抗体が見出されるが、内臓悪性腫瘍合併皮膚筋炎に関連する自己抗体については未だに見出されていなかった。我々は2007年1月に免疫沈降法を用いて検索した結果、155kDaと140kDaに沈降する自己抗体を見出し、臨床的解析を行った結果、本自己抗体が悪性腫瘍合併皮膚筋炎のマーカーであることを見出した(Rheumatology)。したがって本自己抗体の対する自己抗原を検出するため抗原解析を行った。 白血病細胞由来のK562培養細胞を1.0×10^9以上の大量の培養細胞と患者血清を使い、抗原抽出をした。最終的に100ulに精製した。その中の20ulを使いSDS-PAGEで電気泳動し、クマシーブルー染色、銀染色を行った。染色した結果クマシーブルー染色では染色されなかったが、銀染色にて155kDa付近に沈降する一群が認められ、本バンドを切り出し、LC-MS解析を行ったが核内タンパク質の抗原は見出すことができなかった。 その後、2008年Targoffらが、抗原がTranscriptional intermediary factor 1-γ(TIF1-γ)であることを見出し報告した。Targoffとともに確認実験したところ本自己抗体の抗原もTIF1-γであることが判明した。
|