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2007 年度 実績報告書

ウイルス感染における皮膚マスト細胞の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790782
研究機関山梨大学

研究代表者

矢ケ崎 晶子  山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (60377546)

キーワードマスト細胞 / ヘルペスウイルス / 自然免疫 / 獲得免疫 / アポトーシス / オステオポンチン
研究概要

Herpes simplex virus(HSV)のマスト細胞への感染性
我々はマウス胎児皮膚由来マスト細胞(FSMC)を用いて,HSVがFSMCに感染するかを検討した。HSV2(186株)をMOI 100でFSMCに接触させ24時間後に,蛍光抗体法により26%のFSMCにHSV感染を認めた。
HSV感染におけるマスト細胞の役割
さらに,HSV感染により,FSMCのTNF-α,IL-6,MIP-1α,MIP-2の産生が抑制され,LPS刺激を加えることにより,さらに顕著に抑制された。一方,熱処理したHSVでは,これらの産生に影響を及ぼさなかった。
Annexin V binding assayとTUNEL assayを用いた検討では,HSVはMOI依存性にFSMCのアポトーシスを誘導した。一方で熱処理したHSVでは,アポトーシスは誘導されなかった。さらに,ウイルスの複製を阻害するphosphonoacetic acid(PAA)で処理するとアポトーシスが阻害され,HSVによるFSMCのアポトーシスにウイルスの複製が関与していることが示唆された。
以上より,HSV感染によりFSMCのアポトーシスが誘導され,サイトカインやケモカインの産生が抑制されることがわかった。マスト細胞は,局所の炎症反応を減弱させ,ウイルスに対する獲得免疫の誘導を抑制し,感染を遷延化させている可能性がある。
マスト細胞に対するオステオポンチン(OPN)の役割
また我々はFSMCにおいて,OPNの発現が認められることを発見した。また,OPNによりFSMCの遊走を促進し,IgEを介する脱顆粒を増強することを明らかにした。またin vivoにおいても,OPNノックアウトマウスではIgEを介する脱顆粒が抑制されていることが分かった。このことは生体内の皮膚マスト細胞においても,OPNがアレルギー反応や自然免疫を促進させている可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Osteopontin is produced by mast cells and affects IgE-mediated degranulation and migration of mast cells2008

    • 著者名/発表者名
      Akiko Nagasaka, Hiroyuki Matsue, Hironori Matsushima, Rui Aoki, Yuumi Nakamura, Naotomo Kambe, Shigeyuki Kon, Toshimitsu Uede and Shinji Shimada
    • 雑誌名

      Eur.J.Immunol. 38

      ページ: 489-499

    • 査読あり
  • [学会発表] オステオポンチンは皮膚マスト細胞が分泌する遊走・IgE依存性脱顆粒を促進させる新しいメディエーターである2007

    • 著者名/発表者名
      長阪晶子
    • 学会等名
      日本研究皮膚科学会第32回年次学術学会・総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2007-04-18

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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