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2007 年度 実績報告書

ヒトにおける機械刺激誘発性痒みと痒み過敏の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19790783
研究機関京都大学

研究代表者

生駒 晃彦  京都大学, 医学研究科, 助教 (10378614)

キーワード痒み / 痒み過敏 / ヒスタミン / 機械刺激
研究概要

健常被験者延べ30名に参加いただき、我々が新規に開発した皮膚に対する機械刺激法とヒスタミン・イオントフォレーシス刺激による痒みを比較した。その結果、機械刺激の痒みがヒスタミンの痒みと同等もしくはそれを上回ることが確認された。ヒスタミンの痒みは繰り返し同じ部位に生じることは不可能であるが、機械刺激による痒みは同じ部位での繰り返しの誘発が可能であった。レーザードップラー血流計を用いて皮膚表層の血流増加を計測したが、ヒスタミンの痒みが必ず血流増加を伴ったのに対して機械刺激による痒みには血流増加は一切伴わなかった。健常被験者における機械刺激による痒み誘発の報告は国内外でこれまでになく、この研究が初めてである。また、繰り返し誘発が可能なことからは、機械刺激の痒みがヒスタミンなどのメディエーター放出に伴うものではないこと、軸索反射性紅斑を伴わないことからは、機械刺激の痒みがヒスタミン感受性C神経により伝達される可能性は低いことが示唆された。また、この機械刺激の痒みに伴って、痒み過敏現象、つまり皮膚を綿棒で触れるだけで痒みが生じる現象が周囲に生じることが確認された。機械刺激の痒みの強さと、痒み過敏現象の強さは正比例した。このことは、痒み過敏が、痒みの末梢神経の継続的活動により生じる現象であること、および、その活動が強いほど痒み過敏現象も強くなることを示唆する。この痒み過敏現象は、アトピー性皮膚炎などの慢性そう痒患者の痒みに伴って見られる現象であるが、皮膚に炎症とは無関係に、健常被験者でも実験的に生じることが明らかにできたことは、痒み過敏の機構の研究に大きな進歩をもたらすと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 持続性抗ヒスタミン薬の内服24時間後の効果比較検討2007

    • 著者名/発表者名
      細木美和、宮地良樹、生駒晃彦
    • 雑誌名

      アレルギー・免疫 117

      ページ: 602-1606

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 皮膚からみた痒みのメカニズム2007

    • 著者名/発表者名
      生駒晃彦
    • 雑誌名

      神経内科 67

      ページ: 426-431

  • [雑誌論文] レーザードップラー血流画像化装置を用いた抗ヒスタミン薬の効果検討2007

    • 著者名/発表者名
      生駒裕妃子、細本美和、福岡美友紀、宮地良樹、生駒晃彦
    • 雑誌名

      皮膚の科学 6

      ページ: 452-457

    • 査読あり
  • [学会発表] アトピー性皮膚炎のかゆみ治療2007

    • 著者名/発表者名
      生駒晃彦
    • 学会等名
      第19回日本アレルギー学会春季臨床大会
    • 発表場所
      パシフイコ横浜
    • 年月日
      2007-06-11

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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