研究概要 |
尋常性乾癬の患者さんは,もともとEVER1またはEVER2が機能低下するような多型,または発現が低下するような発現調節領域の多型がある。そのために,尋常性乾癬の患者皮膚にはEVspeclfic HPVが排除できなくなっている。しかし,完全にその機能を失っているわけではないので,ウイルスが増殖して疵贅を形成するところまでには至っていない。皮膚に外来性のHPVが存在するたあに,それを排除しようとインターフェロンの発現が高くなり,乾癬を発症しやすくなる免疫バランスに傾くと考え,まず,EVERI遺伝子の一塩基多型(SNP)について,データベース検索により得られた6つのcSNPにつきcase-control studyを行った。 rs2748427(Arg125Trp)について乾癬患者79症例とcontrol93症例につきGenotyping Assayを行ったが相関はみられなかった。現在rs12449858(Phel25Leu),rs9895373(Phe200Ser),rs8078238(Ile287Val),rs3818144(Thr382Thr),rs2613516(Thr650Thr)の5つのcSNPにつき解析中である。次に,EVER2遺伝子のSNP;rs7208422(Ile306Asn),rs12452890(Glu369Glu),rell651675(Ile501Val)の3つのcSNPについてもcase-control studyを行う。また,40歳以下で発症した患者は,遺伝的背景が強く重症になりやすいと言われている。したがって,この40歳以下の若年発症の乾癬患者20症例のゲノムDNAについてのcSNPGenotypingを行っていく予定である。
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