研究概要 |
平成20年度は、いくつかの先天性角化症や表皮水疱症の患者についてPCR法、DGGE(denaturing gradient gel electrophoresis)法、ダイレクトシークエンス法を用いて遺伝子変異解析を行った。アトピー性皮膚炎を合併した尋常性魚鱗癬の日本人家系におけるフィラグリン遺伝子変異(Hamada T et.al. : J Invest Dermatol 128 : 1323-5, 2008)やダリエ病の日本人患者におけるATP2A2遺伝子変異(Hamada T et.al. : J Eur Acad Dermatol Venereol 2008 Jul 3 ; [Epub ahead of print])、優性栄養障害型表皮水疱症の日本人患者におけるCOL7A1遺伝子変異(Hamada T et.al. : J Dermatol Sci 2009 Mar6 ; [Epubahead of print])を報告した。Hailey-Hailey病患者における遺伝子変異解析については、各地から収集した17症例について、14の新規ATP2C1変異を含む15の変異を検出した。先天性角化症患者団体との交流で得られた複数の重症型魚鱗癬家系のゲノムDNAについてもABCA12遺伝子変異解析を進め、5つの新規変異を見出した。両者は現在、論文準備中である。我々の研究室で以前から行っている単純型表皮水疱症のケラチン5/14遺伝子変異についての検討も引き続き行っている。
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