研究概要 |
真菌成分を添加した培養KCにおけるinnate immune proteinsの発現 昨年度に真菌細胞壁の構成成分であるb-glucanを培養ケラチノサイトに添加することで、TLR1, TLR2, TLR6, Dectin-1, b-defensin2のmRNA発現が亢進すること、またIL-6, IL-8の産生亢進を確認した。そこで表皮ケラチノサイトにおけるTLR2の役割を確認するために、次のような実験を追加して行った。TLR-2を阻害するために抗TLR2ブロッキング抗体で処理をしたケラチノサイト、およびTLR2蛋白発現量を増加させるためにTLR2のcDNAをトランスフェクションしたケラチノサイトをペプチドグリカン、MALP-2で刺激し、IL-8産生量を測定した。その結果、MALP-2による刺激でTLR2を阻害したケラチノサイトからのIL-8産生は抑制されており、TLR2をトランスフェクションにより強発現させたケラチノサイトからのIL-8産生が亢進した。-方、ペプチドグリカンによる刺激では、IL-8の産生に実質的な影響はなかった。このことから、ペプチドグリカンはTLR2の発現を亢進させるが、TLR2を介してのケラチノサイトへの影響は少ないと考えた。 真菌成分を添加した培養ケラチノサイト産生サイトカイン, ケモカインの検討 昨年度、ヒスタミンを添加する事で、ケラチノサイトのTLR1, TLR2, TLR6, Dectin-1, b-defensin2のmRNA発現が亢進する事を報告したが、IL-1a, IL-8についても、ヒスタミン存在下で産生亢進することが分かった。このことから、ケラチノサイトの自然免疫応答にも、ヒスタミンが影響することが分かった。
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