研究課題
今年度は、前頭側頭型認知症(FTD)類似した症状を呈した自己免疫介在性辺縁系脳炎、神経ベーチェット病の3症例についてそれぞれ学会発表を行った。これらの症例について臨床症状をまとめ過去の報告と比較し考察を行った。また、最近FTDの中でタウの蓄積が見られず、TDP-43の蓄積が特徴である疾患群が明らかになっている。これに関連してアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、グレイン型認知症など他の神経変性疾患脳におけるTDP-43の発現様式について免疫組織化学的手法を用いて病理学的検討を行った。その結果、FTDに特異的と考えられていた病理所見が他の変性疾患においても副病変として認められることがあることが明らかとなった。さらに、TDP-43の蓄積する非定型ピック病とD-MNDの症例において語義失語がみられる疾患群とみられない疾患群の変性部位を比較し検討を行い、共著者として論文報告を行った。その結果、語義失語の責任病巣は側頭極の下面であることを明らかにした。これらの研究成果を踏まえ多様なFTDの病理所見の特徴をTDP-43の蓄積様式と臨床症状の関連について論文作成を継続している。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
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