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2008 年度 実績報告書

統合失調症の聴覚言語処理機構に関する脳画像・遺伝子研究

研究課題

研究課題/領域番号 19790840
研究機関日本医科大学

研究代表者

肥田 道彦  日本医科大学, 医学部, 助教 (60434130)

キーワード聴覚言語処理 / 脳機能画像 / 幻覚妄想 / 遺伝子多型 / 大脳半球半球左右差 / 認知心理学 / 認知症の周辺症状 / 家族の介護負担
研究概要

私は、主に統合失調症の聴覚言語処理に関する脳機能画像研究をおこなった。統合失調症の臨床症状である幻聴や思考障害の脳機能病態を理解することは臨床的に重要である。幻聴や思考障害の神経基盤を解明するため、大脳半球左右差に着目し、左半球の意味言語処理に対する脳活動と右半球のヒトの声の認知に対する脳活動について検討を行った。我々の研究では、健常対照群に比し統合失調症群で左半球の計語処理時の脳活動が低下し右半球のヒトの声の認知時の脳活動が低下することを明らかにし、統合失調症の脳病態には、左半球だけでなく右半球も含めた広範な大脳の障害が関与することを明らかにした。さらに、感情の含まれる声の抑揚(音声プロソディー)の認知機構の脳機能画像研究にも取り組んだ。音声プロソディーの理解には健常対照群では聴覚野や扁桃体を含め右側頭葉の機能が関与するが、統合失調症群では幻覚妄想や思考障害が顕著なほど左前頭葉の活動が亢進し、抑うつや被害妄想などの陰性症状が顕著になると左側頭葉の活動が亢進することを明らかにし学会で報告した。また、特定の遺伝子多型の違いによる脳機能の相違を明らかにするための研究基盤の確立を推進し、精神疾患における遺伝子個別化医療の実現にむけた研究を継続中である。さらに、認知症の周辺症状として存在する幻覚妄想は、在宅医療や施設入所にも重大な影響を引き起こすが、統合失調症の精神症状の理解を踏まえ認知症の家族の介護負担に関する評価法の開発も行い、学会で発表した。今後も、統合失調症や認知症の周辺症状を含めた問題行動に対する脳機能画像研究や遺伝子研究・認知心理学研究を含め総合的に病態を評価し治療できるような最先端の研究の構築を推進していきたいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] fMRIでみる統合失調症の聴覚言語機能とヒトの声の認知機構2008

    • 著者名/発表者名
      肥田道彦
    • 雑誌名

      臨床精神医学 37(6)

      ページ: 751-758

  • [雑誌論文] 統合失調症の音声プロソディー認知に関する脳機能画像研究2008

    • 著者名/発表者名
      肥田道彦
    • 雑誌名

      脳と精神の医学 19(4)

      ページ: 237-244

  • [雑誌論文] Care Policy for Patients with Dementia : Family's Decision and Its Imnact2008

    • 著者名/発表者名
      Koeda, M. ; Shibata, T. ; Asai, K. ; Okubo, Y. ; Tanaka, H
    • 雑誌名

      BioMedical Engineering and Informatics 2

      ページ: 843-847

    • 査読あり
  • [学会発表] A functional MRI study : Cerebral activation for Human Voice In flexion in schizophrenia2008

    • 著者名/発表者名
      肥田道彦
    • 学会等名
      第30回日本生物学的精神医学会
    • 発表場所
      ANAクラウンプラザ富山
    • 年月日
      2008-09-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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