研究課題
1.PETイメージング剤によるモデル動物およびヒトアルツハイマー病(AD)の老人斑の画像化ADを病理診断する上では老人斑(SP)と神経原線維変化(NFT)の存在を確認する必要がある。忠実な臨床診断や治療効果を評価する上での病変量モニター、或いは病態メカニズムを追求する為にはこれらの病変を標的としたin vivoで評価出来る画像診断システムを開発する必要性があるものと思われる。BF研究所と東北大学で共同開発されたSPに特異的に結合する化合物であるBF-227を放射性ラベルしてヒトに投与しPET scanした。AD症例では健常者に比較し有意に集積の増加を認め、AD画像診断薬としての効能を有することに成功した(J Nucl Med. 2007.)。ヒトSPを忠実に形成するモデルマウスにSPを特異的に認識する米国Pittsburgh大学において開発されたPittsburgh compound-Bを投与しmicro PET scanすると、生体レベルで病変部を3次元的に観察できることを証明した。PETイメージング剤を開発するにあたっては、ヒトに応用する前段階にモデル動物を用いてPET scanすることがトレーサーの動態、結合特性をモニターするための重要なアプローチであることを示した(J Neuroscience. 2007.)。2.神経原線維変化形成モデル動物を用いた生体画像診断システムの開発前述のようにSPを認識する画像診断アプローチは各研究施設から一定の成果として報告されているもNFTを標的としたin vivo画像診断アプローチの成功例の報告は乏しく、ADをより忠実に客観的に画像診断するには同アプローチも開発する必要性があるものと思われる。申請者は他のイメージングシステムよりも安価で測定が簡便な蛍光イメージングシステムを選択し、NFTを特異的に認識する蛍光プローブをNFT形成モデルマウスに投与し定性画像診断と定量画像診断アプローチとしての本システムの有用性を現在評価中で、すでにモデルマウスにおいて正常マウスを上回るシグナルが認められている。本プローブの有用性が確認された時点で、上記のmicfoPETイメージングシステムでさらにPETプローブとしての特性を評価し、SPのプローブと同様に臨床応用に向けて開発を進める予定である。
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