[目的]表在用RVSシステムを乳腺領域に用いて3T-MRIとUSを対比した。[対象と方法]表在用RVSシステムは高周波リニアプローブに磁気センサーを装着して超音波検査を行い、超音波画像と同一断面のMRI-MPR画像をリアルタイムに作成し並列表示するものである。超音波装置はEUB-8500、MRI装置はMAGNETOM Trioを使用した。対象はMRIで濃染した乳腺病変28症例44病変である。MRIの撮像体位は伏臥位24例39病変、仰臥位4例5病変、それぞれRVSを用いてUSとMRiの所見を対比した。[結果]44病変中41病変はRVSで病変の同定が可能であった。病変の内訳は乳癌25(浸潤癌12、非浸潤癌13)、乳管内乳頭腫1、細胞診疑陽性1、乳腺症3、乳腺内リンパ節1、良性疑い経過観察12、RVS同定不能1であった。仰臥位MRIとUSの所見は5病変とも合致した。伏臥位MRIでは、仰臥位で行うUSとは乳腺の変形や病変位置のずれが生じたが、病変部の所見については39病変中36病変で検出、同定が可能であった。ただし、US単独で病変検出不能であったsecond look RVS 23病変のうち、伏臥位MRIの3病変についてはRVSを用いても同定は困難であった。3TMRIは1.5Tと比較して脂肪抑制効果が良好で空間分解能が高く等方向ボクセルのボリュームデータを得られることから、RVSに適していると考えられた。[結論]仰臥位及び伏臥位MRIを用いたRVSにてUSとMRIの詳細な対比が可能である。ただし伏臥位MRIと仰臥位のUSとは位置がずれるので、特にUS単独では検出できないような病変に対するsecond look studyの場合には注意を要する。
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