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2007 年度 実績報告書

神経因性疼痛下のアセチルコリン神経機能の画像解析とそれに基づく鎮痛作用部位の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19790869
研究機関京都大学

研究代表者

上田 真史  京都大学, 医学研究科, 助教 (40381967)

キーワード分子イメージング / 神経因性疼痛 / アセチルコリン神経系
研究概要

神経因性疼痛状態でのアセチルコリン神経系の機能変化を明らかにする目的で、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に結合する放射性プローブ[125I]5IAを用い、脳内nAChRの密度変化を調べた。神経因性疼痛モデルラットおよび偽手術ラットに[125I]5IAを尾静脈から投与し、オートラジオグラフィ法により関心領域への放射能集積を比較したところ、モデルラットの視床において、偽手術ラットの1.7倍(ρ<0.05)高い集積を認めた。視床以外の領域では有意な変化は認められなかった。次に、各群のラットから脳切片を作製し、インビトロで[125I]5IAの結合実験を行ったところ、モデルラットの視床の最大結合能(Bmax)が偽手術ラットに比べて1.5倍(ρ<0.05)増加していた。これらの結果から、神経因性疼痛状態では視床においてのみnAChR密度が増加することが明らかとなり、視床に存在するnAChRが神経因性疼痛の病態あるいは鎮痛作用に何らかの関与を有する可能性が示された。
また、アセチルコリン神経機能を評価する別のプローブとして、アセチルコリン分解酵素(AChE)の活性測定用プローブである[11C]MP4Pを用いたイメージング研究を行った。ラットに[11C]MP4Pを尾静脈から投与し、小動物用PET装置を用いて撮像を行ったところ、AChE活性の高い線条体に最も高く集積し、活性の低い皮質や小脳への集積は低いことが明らかとなった。これにより、小動物用PET装置を用いることで、脳内AChE活性を非侵襲的に測定できる可能性が示された。
これらの知見をもとに、次年度は視床に発現するnAChRやAChEと神経因性疼痛との関連、発現量の経時変化などを調べ、神経因性疼痛下のアセチルコリン神経機能解析と鎮痛作用部位の解明を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 5-Iodo-A-85380, a specific ligand for alpha4beta2 nicotinic acetylcholine receptors, prevents glutamate neurotoxicity in rat cortical cultured neurons.2008

    • 著者名/発表者名
      Ueda M, et. al.
    • 雑誌名

      Brain Res. 1199

      ページ: 46-52

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of nicotinic acetylcholine receptors expressed in thalamic ventroposterior lateral nucleus in antiallodynic effect.2008

    • 著者名/発表者名
      Ueda M, et. al.
    • 雑誌名

      J Pharmacol Sci. 106, Suppl. 1

      ページ: 63

    • 査読あり
  • [学会発表] 視床VPL核に存在するニコチン受容体を介する神経因性疼痛抑制作用の検討2008

    • 著者名/発表者名
      上田 真史, 他
    • 学会等名
      第81回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-03-18

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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