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2008 年度 実績報告書

息止め撮影によるFDG‐PET画質向上の基礎的検討:呼吸同期撮影との比較

研究課題

研究課題/領域番号 19790903
研究機関関西医科大学

研究代表者

上埜 泰寛  関西医科大学, 医学部, 助教 (10425069)

キーワードFDG-PET / 呼吸同期撮影 / 息止め撮影 / 呼吸同期ファントム / SUV最大値 / FWHM
研究概要

呼吸性移動の影響を受けやすい横隔膜近傍の病変に対して、息止め、呼吸同期によるPET撮影を施行、通常撮影と比較し、画質向上を検討した。呼吸同期システムを用いたファントム実験では、肺腫瘤を模擬した直径10mm、13mm、17mm、22mmの18F-FDGを封入した球体を、呼吸周期のストローク1cm、2cm、3cm、呼吸回数5回/分、15回/分と組み合わせて変化させ撮影した。それぞれFDG集積部位のprofile curveを作成しFWHMを算出した。FWHMを呼吸によるFDG集積ズレの指標とすると、呼吸同期撮影において安静呼吸下での通常撮影と比較してFWHMは低く、視覚的にも集積辺縁部が鮮明化した。実際に初回全身像で横隔膜近傍に異常集積を認めた15症例においては、インフォームドコンセントを行い、異常集積部位のスポット遅延像として、息止め、呼吸同期両者撮影を11例で、息止めのみを2例、呼吸同期のみを2例で施行した。息止め、呼吸同期撮影をそれぞれ、通常撮影と対比、視覚的に評価した。評価項目は(1)周囲バックグラウンドとのコントラスト、(2)辺縁部の鮮明性、(3)FDG集積度で、これらから5段階評価(5 : 向上4 : やや向上3 : 不変2 : やや低下1 : 低下)した。2名の放射線科医による評価平均は、息止めはともに4.5、呼吸同期は4.0、4.2と、視覚的評価は有意に上昇した。安静呼吸下での通常PET撮影の画質劣化の原因としては、秒単位で撮影するCTと、分単位で撮影するPETでは、撮像(データ収集)の位相にズレが生じることが考えられる。息止め撮影では最大深吸気によって、周囲肺野のバックグラウンドが低下し病変と肺野のコントラストが増加、また、病変-横隔膜間距離が増加し、視覚的評価が上昇したと考えられた。呼吸同期撮影では呼吸に伴う病変集積のズレ補正により、辺縁部が鮮明化したことが画質向上の機序と考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 息止め撮影、呼吸同期によるFDG-PET画質向上の検討2009

    • 著者名/発表者名
      上埜泰寛
    • 学会等名
      日本医学放射線学会総会(抄録提出20年度)
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2009-04-18

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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