I-125永久挿入治療は急速に普及している前立腺癌に対する治療である。1)。これは経直腸超音波画像であらかじめ線源配置、線源強度、個数などを決定するプレプランを行い、それに基づき刺入する。しかし、針のずれや刺入による出血などにより、プレプランどおりに刺入できないことが多い。現在、治療計画システムでは、線源位置のズレを補正する術中計画システムが搭載されているが、超音波画像が不鮮明であり、実際には線量をリアルタイムにかつ正確に知ることが困難である。その結果、リスク臓器の予期せぬ過大線量域の発生や標的が過少線量になる例に直面する。刺入後の線量調整は容易でなく、リアルタイムに線量を知ることは極めて重要であるが、リアルタイム体内線量実測による品質保証システムは未だ確立されていない。我々はリアルタイムに、かつ安全に尿道、直腸近傍の線量測定を行う方法を考案した。 本年度は、使用するMOSFET線量計の校正、物理特性の把握、及び本治療の不確かさの解明を行なった。I-125シードからの光子に対するMOSFETのエネルギー依存性の影響を除去するために、線源強度測定を行ったI-125シードを用いて直接校正を行う校正法を考案した。また、線源-線量計距離による線量計の感度変化が最大5%あることが判明し、校正定数の距離による変化の補正が必要であることが示唆された。また、最大で約7%の方向依存性があることが判明し、測定系に15%程度の誤差があることが判明した。また、臨床例模擬ファントムを独自に開発し、治療計画装置の計算値(計算値)と実測値が一致する前提で検討を行なった。その結果、計算値と実測値は最大でも15%以内で一致することを確認した。 このデータを下に、平成20年度からは尿道、直腸付近の線量を実測する臨床試験を行なう。
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