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2008 年度 実績報告書

テロメラーゼ遺伝子導入による不死化膵島を用いた膵島移植胃粘膜下注入法

研究課題

研究課題/領域番号 19790921
研究機関広島大学

研究代表者

首藤 毅  広島大学, 病院, 助教 (10423378)

キーワード膵島移植 / 胃粘膜下注入法 / テロメラーゼ / エダラボン / アポトーシス
研究概要

今後の膵島移植の課題は1ドナー/1レシピエントの実現にあり、移植急性期の膵島傷害の軽減を目的として胃粘膜下注入法の移植効果を検証したが、従来法の経門脈的肝内移植法を上廻る効果は得られなかった。そこで、移植早期の虚血再灌流障害およびアポトーシスに注目し、動物実験で移植臓器保護効果が報告されているエダラボン投与による移植膵島の生着促進効果を検討した。エダラボンを膵島移植直後と24時間後に経静脈的に投与する群(n=10)と非投与群(n=10)を作成、移植後4週間随時血糖を測定、2週後にIVGTTを行い30分後の血中insulin濃度をELISA法で測定した。また2日後の移植膵島の生着を、レシピエント肝を用いてinsulin抗体とTUNEL染色にて免疫組織学的に検討した。投与群では血糖改善率(400mg/dl未満)が60%、正常化率(200mg/dl未満)が50%だったのに対し、非投与群は全例高血糖(400mg/dl以上)が持続した(改善率0%)。2週後のinsulin濃度は投与群が高値で(0.99±0.83ng/ml vs 0.20±0.24ng/ml, p<0.01)、移植後膵島機能は投与群で有意に良好だった。1 isletあたりのinsulin陽性細胞数(24.4±26.1 vs 14.7±10.2, p<0.01)、insulin陽性細胞面積(132±54μm2 vs 110±48μm2, p<0.05)が投与群において高値で、機能的に生着したβ細胞の細胞数と個々の細胞の大きさが投与群で有意に高値だった。TUNEL染色では1 isletあたりのTUNEL陽性細胞数が投与群において低値で(0.23±0.68 vs 1.46±3.64, p<0.05)、アポトーシスに陥った細胞数が投与群で有意に少なかった。ラット膵島移植後急性期のエダラボン投与は、移植膵島のアポトーシスを抑制して生着促進し、移植後膵島機能の向上に有効だった。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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