研究概要 |
抗CD3x抗EGFR二重特異性抗体(Ex3 diabody)を作成し、CD3陽性である活性化リンパ球(T-LAK細胞)およびPBMCをエフェクター細胞とし、EGFR陽性胆管癌細胞株TFK-1を中心に種々のEGFR陽性および陰性癌細胞株を標的としてin vitroでの治療効果を検討した。EGFRの発現に特異的にT-LAK細胞の細胞傷害活性が著明に上昇することを示した。また、PBMCを用いた場合には弱いながらも細胞傷害活性の増強が確認された。いずれも、癌腫を問わずEGFRの発現に特異的であった。In vitroでの系でEc3 diabodyを4回の隔週投与群、ならびに4回の連日投与群の比較では連日投与群の方が腫瘍増殖が抑制された。1匹あたり1回に0.2,2、20μgの投与では、2,20μg投与群間の差は認めないものの両者とも0.2μg等よ群よりも有意に腫瘍の増殖を抑制した。また、0.2μg投与群は米国で臨床応用されている抗EGFR抗体であるIMC-225(Cetuximab)500μgと同等の腫瘍増殖抑制効果を示した。 又、EGFRRX抗CD3二重特異性抗体を用いてEx3 diabodyとEGFR分子との相互作用、増殖抑制、血管新生抑制、アポトーシスの誘導、転移の抑制などについてin vitroならびにin vivoにてデータを集積中である。
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