進行再発大腸癌に対して、FOLFOX療法またはFOLFIRI療法に、VEGFに対する分子標的治療薬であるBevacizumabを追加するレジメンが標準治療となった。しかし化学療法、特にbevacizumabの治療効果や予後の予測を行うバイオマーカーは確立されていない。FOLFOX症例:30例、FOLFIRI症例:13例、bevacizumab投与症例:30例を対象とし、末梢循環大腸癌細胞(Circulating tumor cell:CTC)および末梢循環血管内皮細胞(Circulating endothelial cell: CEC)、さらに骨髄細胞由来で血管新生に関与していると考えられるCEP(Circulating endothelial progenitor)を、バイオマーカーとして検討した。CTCおよびCECはCell search System(Veridex)を用いて解析、さらにCECおよびCEPはflowcytometry法を用いて測定した。CTCが最良治療効果、無増悪生存期間および全生存期間の予測因子となることが考えられた。またbevacizumabがCEPに作用することおよびCECの発現マーカーが効果予測因子になることが考えられた。研究成果は第11回がん分子標的治療研究会学術総会、第6回日本臨床腫瘍学会学術集会で報告した。
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