再生医療では理論的には理想的な移植材料を創出しうるが、心臓血管組織の様に「強靱」かつ「しなやか」な組織再生は未だ困難である。 そこで本研究では、心臓血管組織の機械特性を担う「中膜平滑筋層の再生」を目指した研究を行った。 まず、平滑筋細胞へ分化可能な骨髄由来間葉系幹細胞を効率的に分化するための手法を検討し、培養液中の添加因子としてTGF-b1とアスコルビン酸、細胞外マトリクスとしてラミニン、動脈同様の機械刺激環境下での培養などそれぞれの有効性を発見した。 またそれらの細胞を脱細胞化組織へ磁力を用いて層状に播種する手法を開発した。さらに、中膜平滑筋層の再生を促す、生体吸収性材料を用いた血管の再生を試みた。
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