研究概要 |
1)中枢神経原発悪性リンパ腫の培養細胞の樹立 当院で手術摘出した中枢神経原発悪性リンパ腫患者3例の腫瘍細胞をRPMI培地で培養を行った。腫瘍細胞の増殖は非常に緩徐であるが、継代培養が可能な状態となった。現在までに、2例で細胞株が樹立されている可能性がある。培養で増殖してきた細胞が中枢神経原発悪性リンパ腫細胞であるか、免疫染色やFACSを用いた表面マーカー解析,染色体検査、サザンプロットなどでの遺伝子再構成などを解析し、摘出時の結果と比較して中枢神経原発悪性リンパ腫であることを確認することを計画している。 2)中枢神経原発悪性リンパ腫におけるAurora-Aの発現について 中枢神経原発悪性リンパ腫の患者の腫瘍組織のパラフィン切片を用いて、Aurora-Aの発現を検討すると、多くの症例のリンパ腫細胞でAurora-Aの発現を認めた。MIB-1染色を行い、増殖能のある細胞を見ると、Anrora-Aは増殖能の盛んな細胞で特に発現が上昇していることが観察された。これは、やはりAurora-Aが分裂期キナーゼであることを示唆する所見であった。今後、更に症例を増やして検討する必要がある。また、オーロラにはその他Aurora-B,Aurora-Cが存在するが、これらの蛋白発現量については今後検討する予定である
|