研究概要 |
現在、いくつかの摘出した腫瘍組織から細胞株を樹立する試みを行っている。頭蓋内悪性リンパ腫の細胞株樹立は、増殖能があまりないために難しく、また樹立した細胞株が、中枢神経原発悪性リンパ腫細胞であるかは、免疫染色やFACS,染色体検査など樹立した細胞も細胞表面抗原で検討したが、リンパ腫細胞と断定できないこともあり、細胞株樹立に困難であった。しかし、今後も、さらに手術摘出した組織より細胞株を樹立するようにする。中枢神経原発悪性リンパ腫の患者の腫瘍組織のパラフィン切片を用いて、Aurora-Aの発現を検討すると、多くの症例のリンパ腫細胞でAuroraの発現を認めた。MIB-1染色を行い、増殖能のある細胞を見ると、Auroraは増殖能の盛んな細胞で特に発現が上昇していることが観察された。これは、やはりAurora-Aが分裂期キナーゼであることを示唆する所見であった。今後、更に症例を増やして検討する必要がある。 また、頭蓋内原発悪性リンパ腫の細胞株であるBML細胞にAurora-A蛋白をsiRNAでノックダウンして細胞周期、細胞死等を検討したが、十分なノックダウンが出来ず、現在も解析中である。しかし、Auroraキナーゼのノックダウンによりアポトーシスが増加する傾向が認められた。
|