本研究では82個の未破裂脳動脈瘤を三次元回転脳血管撮影およびMRアンギオグラフィーで経過観察をした。平均10.1ヶ月の経過観察期間のなかで、4動脈瘤にブレブ形成が認められた。うち3動脈瘤を血流解析して、ブレブ形成に関連する血行力学的ストレスの特徴を明らかにすることができた。ブレブは低壁面せん断応力領域のなかで壁面せん断応力値の勾配が高いところに形成されていた。本研究から得られた所見は動脈瘤の進行に関わる血行力学的ストレスの特徴を明らかにしたことに加えて、血流変向術による脳動脈瘤治療の基礎的知見としても意義がある。
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