研究概要 |
1;House keeping gene mRNA/protein/Cell Nucleiの定量: H16年からの研究により、くも膜下出血モデルにおいてはHouse keeping geneの中ではbeta-actin,GAPDHに比較してRibosomal 18sが最も影響を受けないとの結果を元に、血管攣縮に関与すると予想されるTRPチャンネルの発現動態を定量化する時点でのインターナルコントロールの最適なHouse keeping geneとして選出した。TRPチャンネルのファミリーの物質のうち、イヌ遺伝子の塩基配列が既知の物質はその配列を解析に用いた。イヌ遺伝子の塩基配列が未知の物質においては、ヒト遺伝子とその他生物の遺伝子の塩基配列を比較し、両者において相同性の高い部分の塩基配列のdegenerate primerを作成し、プライマーを作成した。摘出した脳主幹動脈よりtotal RNAを抽出し、逆転写酵素とオリゴ(dT)プライマーを用いてcDNAを合成することが出来た。これを鋳型とし、Real-time quantitative PCRを施行し、正常血管と攣縮血管でのTRPチャンネルの発現量の違いを定量するまでに至ったが、データは解析中である。 2;TRP channelファミリーの定量: TRPチャンネルファミリー(TRP1,2,3,4,5,6,7)は各々特異な組織分布を示し、特に脳内分布でも特徴が見られている。TRPファミリーは機能的にも多様性を有している。平滑筋においてはTRP6がアゴニスト刺激による収縮のトリガーとして働くことが示唆されているが、脳血管平滑筋細胞膜においての、それぞれのTRPチャンネルの発現量をこれまでRT-PCRにて定量することに成功した。次にWestern blotting法により蛋白レベルでの変化の裏づけを施行し、In vitro transcriptionまでを目標としている。
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