研究概要 |
平成20年度半腱様筋腱内での腱内軟骨化モデルの作成と半月板再建術の確立 前年度の研究からrhBMP注入後10日の軟骨化腱が半月板再建術に使用する移植材料として最適と判断し、半月板の代替物として用いることとした。 あらかじめ最適化された条件において作成された軟骨化腱を採取し、ウサギ膝内側半月板を切除した後、軟骨化腱を内側後方から関節内に翻転し、inside-outに関節包に縫着する。この半月板再建術モデルを1, 2ヶ月で屠殺した。 再建術膝を軟X線装置(ソフロン)を用いてレントゲン撮影し、半月板内の異所性骨化の評価を行った。 その組織切片をH-E、toluidine blue染色を行い、再建半月板の軟骨形成と骨形成を観察した。再建術後1, 2ヶ月で高率に半月板内に骨化が見られた。組織像では半月板内(主に関節包側)に骨化が見られた。このことから関節外で軟骨化腱を誘導し、それを移植材料として半月板再建とする2期的手術では骨化まで誘導されることがわかった。これDBMPの作用が骨化誘導であり、一度スイッチが入ってしまうと骨化まで誘導される可能性があった。しかしながら低酸素下においてはBMPによって軟骨誘導されるという過去の報告があることから、関節内という低酸素環境でBMPを作用させることによって、骨化誘導されることなく軟骨で留まる可能性がある。また臨床の現場では半月板再建術は1期的に行うことから移植腱に直接BMPを注入する1期的再建術のほうが理想的である。よって低酸素環境下である関節内でBMPを作用させる1期的手術を計画し、実施している。
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