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2010 年度 実績報告書

椎間板変性に対する脊索性髄核の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19791045
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

辻 崇  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60296639)

キーワード椎間板 / 変性 / 髄核 / 線維輪 / 終板
研究概要

本年度は人椎間板変性所見の画像的検討を継続し、手術例の長期経過における椎間板変性の特徴を検討した。L4変性すべり症で5年以上経過観察可能であった72例を対象とし、術前、術後5年時の単純X線を用いて、上位隣接椎間(L3/4)の画像上の隣接椎間病変(ASL)を評価した。ASLは3mm以上のすべり進行または術前比20%以上の椎間板高減少と定義した。72例中14例(19%)にASLが発生した。ASL、あり群は、平均56歳、性別(男0例,女14例)、術式(ALIF7例,PLIF7例)、椎弓傾斜角119±4゜、術前の椎間板変性(あり8例,なし6例)、固定椎間前湾角15±7゜、固定椎間高差2.2±3.1mmであった。ASLあり群はなし群と比較し女性(p<0.01)および術前の椎間板変性あり(p<0.001)が有意に高かった。過去にASLに関与すると報告されている項目のなかで、L4変性すべり症固定術後のASL発生に最も影響を及ぼす因子は、術式や手術手技に関連した因子ではなく、術前から存在する椎間板変性と性差が関与していた。そこで、性差に注目した基礎実験としてエストロゲン受容体α(ERα)を欠損したマウスの椎体軟骨終板を組織学的に検討した結果、ERα欠損マウスでは軟骨細胞が減少しその軟骨終板の厚さの減少、細胞外器質の減少が見られた。in vitroの結果では、野生型ではエストロゲンもしくはTGF-β添加でII型コラーゲンの発現が増加したもののERα欠損マウスにおいてはその増加が見られなかった。さらにレポーターアッセイを用いてII型コラーゲン発現調節機構を詳細に検討した結果、dominant negative型ERαやp38 mitogen-activated protein kinase (p38 MAPK)の阻害剤でII型コラーゲンのプロモーター活性は抑制されることを見出した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 腰椎変性すべり症に対する固定術後の隣接椎間の発生に影響を及ぼす因子の検討2010

    • 著者名/発表者名
      辻崇, 渡辺航太, 細金直文, 石井賢, 中村雅也, 松本守雄, 戸山芳昭, 千葉一裕
    • 学会等名
      日本脊椎インストゥルメンテーション学会
    • 発表場所
      北海道
    • 年月日
      20101028-20101029
  • [学会発表] Risk factors for radiological adjacent segment degeneration after lumbar fusion for spondylolisthesis2010

    • 著者名/発表者名
      T Tsuji, K Watanabe, K Ishii, H Takaishi, M Nakamura, M Matsumoto, Y Toyama, K Chiba
    • 学会等名
      The international society for the study of the lumbar spine
    • 発表場所
      Auckland, New Zealand
    • 年月日
      2010-04-16

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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