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2007 年度 実績報告書

脊髄損傷後の神経因性疼痛における活性酸素の役割解明

研究課題

研究課題/領域番号 19791065
研究機関大阪大学

研究代表者

高橋 亜矢子  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70444544)

キーワード神経因性疼痛 / 活性酸素 / GABA受容体
研究概要

本研究は組織障害性、シナプスの可塑性に関与すると考えられている活性酸素が神経因性疼痛発症のメカニズムに関与するかどうかを明らかにすることを目的とする。
マウス脊髄スライス標本を用い、内因性活性酸素の一つである過酸化水素が脊髄後角膠様質(SG)細胞のシナプス伝達に与える影響を、電気生理学的手法パッチクランプ法を用い検討した。灌流液に混合して急性投与した過酸化水素は、濃度依存性にまた、可逆性にSG細胞のGABA受容体介在性微小後シナプス電流の頻度を増加させたが、電流の減衰時間には変化を与えなかった。また、活性酸素のスカベンジャーであるカタラーゼの灌流投与により、過酸化水素の効果は完全に抑制された。しかし、膜透過性のないスカベンジャーであるグルタチオンを細胞内液に投与しても過酸化水素の効果は抑制されないことから、過酸化水素の効果は前シナプス性であることが示唆された。過酸化水素による頻度増加のメカニズムを検討するために、シナプス前細胞のカルシウム貯蔵放出のブロッカーを用いた検討を行った結果、小胞体におけるカルシウム放出に関与するIP3受容体のブロッカー、2APBが、過酸化水素の効果を抑制することが明らかになった。
本研究により、活性酸素の一つである過酸化水素が、侵害受容伝達に重要な役割を果たすと考えられているSG細胞のシナプス伝達を変化させることが明らかとなった。また、そのメカニズムにIP3受容体が関与することも明らかになった。これらの結果より、IP3受容体が神経因性疼痛発症のメカニズムに関与する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 過酸化水素が脊髄後角膠様質細胞の神経伝達に与える影響2007

    • 著者名/発表者名
      高橋亜矢子
    • 学会等名
      生理学研究所研究会「筋・骨格系と内臓の痛み研究会」
    • 発表場所
      岡崎カンファレンスセンター
    • 年月日
      2007-12-06
  • [学会発表] 過酸化水素はマウスの脊髄膠様質細胞においてGABA性mIPSCをIP3受容体介在性カルシウム放出を介して増加させる2007

    • 著者名/発表者名
      高橋亜矢子
    • 学会等名
      第54回日本麻酔科学会学術集会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2007-06-01
  • [学会発表] 過酸化水素が脊髄後角膠様質細胞のGABA受容体介在性微小抑制性電流に及ぼす影響2007

    • 著者名/発表者名
      高橋亜矢子
    • 学会等名
      第11回日本神経麻酔・集中治療研究会
    • 発表場所
      秋田拠点センターアルヴェ
    • 年月日
      2007-04-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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