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2007 年度 実績報告書

神経因性疼痛にミクログリアの活性酸素生成能・貪食はどうかかわるのか

研究課題

研究課題/領域番号 19791068
研究機関九州大学

研究代表者

野田 祐紀子  九州大学, 大学病院, 助教 (10404021)

キーワード神経因性疼痛 / ミクログリア / 活性酸素 / 貪食
研究概要

神経に障害がおこった場合、「アロディニア(異痛症)」と呼ばれる、通常は痛みとは感じられないような刺激(手で軽く触れる、洋服がすれる)が、痛みとして感じられる症状が現れる。その「アロディニア」の発症メカニズム解明が今回の目的のひとつである。近年、ミクログリアという中枢神経系に存在する貪食細胞に発現するATP受容体(P2X4受容体)を阻害することでアロディニアが改善されることが報告されているが、私はATP刺激したミクログリアのO2-産生能および貪食能に焦点を当てた。また、我々麻酔科ペインクリニシャンの視点から、硬膜外腔に投与することでミクログリアの活性化を抑制し、アロディニアの予防・治療ができる薬物を明らかにすることがもうひとつの目的である。今回ミクログリアの活性化を抑制する薬剤が明らかになれば、その薬剤を用いて硬膜外ブロックを施行することで脊髄後根に最も近い部位に薬を投与することができる。選択的に神経の近くに薬物を投与することで、効果を最大限にし、副作用を最小限に抑えることができる。
まずは研究対象としてEOC20(マウスミクログリア培養細胞)の培養を試みたが、条件を検討しても実験に使用できるまで細胞を増殖させることができなかった。現在さらに詳細な条件設定を行っている最中である。並行して、同様に貪食細胞であるRAW276.4(マウスマクロファージ培養細胞)を用いてO2産生、貪食能に与える各種鎮痛補助薬の影響を調べている。その結果非常に興味深いことに、NMDA受容体拮抗薬にて、O2産生が抑制されるというデータが得られた。しかもそのとき、貪食能はほとんど阻害されていなかった。このことは、ミクログリア細胞の先行実験としての意味のみならずNMDA阻害薬の抗炎症作用のメカニズム解明という点から非常に重要な意味を持つと思われる。今までにこのような報告はなく、ひきつづき研究を深めていきたい。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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