• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

アシデミアが蘇生後脳症における脳浮腫に与える影響-水チャネルの機能に注目して-

研究課題

研究課題/領域番号 19791079
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

森島 徹朗  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (10448714)

キーワード乳酸アシドーシス / アクアポリン / 脳浮腫 / 蘇生後脳症 / アストロサイト
研究概要

近年、蘇生に成功した心肺停止患者の予後については、単に心拍の再開だけでなく、脳機能の維持や完全社会復帰が求められるようになってきている。蘇生後脳症は強い脳浮腫を伴い、神経学的予後を悪化させる可能性があり、その予防や治療はたいへん重要である。AHAG2005によれば、心肺蘇生時のアシデミアは許容することとなっているが、網に対する影響は明確ではない。アシデミアの存在はフリーラジカル産生を亢進したり、DNA障害を惹起したり、細胞内情報伝達を妨げるなど様々な障害を発生する可能性がある。また、乳酸アシドーシスにより神経細胞やグリア細胞のアストロサイト(Ast)が細胞死を来すことが知られている。さらに、乳酸アシドーシスにより細胞膜上のNa/H+対向輸送体を介して細胞内にNa^+が蓄積し、その結果としてAstの膨化、すなわち脳浮腫を生じることが知られている。一方、水チャネルであるアクアポリン4(AQP4)が脳浮腫の進行に関与することがわかってきている。本研究では、AQP4が脳浮腫の発生に重要な役割を果たしているという立場から、乳酸アシドーシスがAQP4機能に与える影響を明らかにすることにより、アシデミアが脳浮腫に及ぼす影響や蘇生後の脳におけるアシデミアの許容範囲を明確にし、より良い蘇生後の中枢神経管理方法を見出すことを目標とした。検討の結果、乳酸アシドーシスにより、アストロサイトにおけるAQP4蛋白質の発現増加は、細胞膜へ集積することがより確実となった。アストロサイトの明確な膨張は観察期間においては確認できず、今後の検討課題である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Localization of reversion-induced LIM protein (RIL) in the rat central nervous system2009

    • 著者名/発表者名
      Iida Y et.al.
    • 雑誌名

      Acta Histochem Cytochem 42

      ページ: 9-14

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lactic acid increases aquaporin 4 expression on the cell membrane of cultured rat astrocytes2008

    • 著者名/発表者名
      Morishima T et.al.
    • 雑誌名

      Neurosci Res 61

      ページ: 18-26

    • 査読あり
  • [学会発表] 乳酸アシドーシスは水チャネル<アクアポリン>のアストロサイト細胞膜への集積を促進する2008

    • 著者名/発表者名
      祖父江和哉、森島徹朗, 他3名
    • 学会等名
      第31回日本神経科学大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-07-11

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi