研究概要 |
雄SDratを麻酔下に大腿骨上の皮膚を切開し片側の坐骨神経をできるだけ中枢側で6.0,7.0-silk糸で1/2周結紮して神経障害性疼痛モデルを作成した。コントロール群には麻酔下に坐骨神経の同部を剥離・露出させるsham operationを施した。 薬物を髄腔内投与するためクモ膜下腔にratの大槽からポリエチレンカテーテル(PE-10)を尾側に向かって9cm挿入した。 非特異的グリシントランスポーター阻害薬Sarcosine[0(contro1),3,10,30mg/kg,i.p.]の影響を投与15,30,60分後に調べた(n=9)。熱刺激過敏性thermal hyperalgesiaを調べるためPlantar testを行った。患肢足底にradiant heatを当て逃避反応が起こるまでの時間(潜時)はコントロール群で10.9±3.1secだった。機械刺激過敏性mechanical allodyniaを調べるためVon Frey testを行った。患肢足底にカがかかるようにfilamentsを当て、逃避反応が起こる閾値はコントロール群で10.3 gだった。Plantar test,Von Frey testとも全ての濃度、時間でSarcosineの作用を認めなかった。 無処置のラットを用いた急性疼痛に対する実験を行った。Tail-flicktestでは尻尾へのradiant heatに対する逃避反応が起こるまでの潜時はコントロール群で2.5±0.6secだった。Hot-plate testをでは逃避反応が起こるまでの潜時はコントロール群で8.5±2.1secだった。神経障害性疼痛モデルと同様にSarcosineの作用を認めなかった。
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