浸潤性膀胱癌に対する化学放射線療法耐性克服は、患者の生命予後や膀胱温存によるQOLの改善につながる。化学放射線療法を受けた症例の解析から、膀胱癌組織中のErbB2, NFκBが治療耐性を規定する蛋白の候補として選定した。膀胱癌細胞株に、ヒートショックプロテイン90 (Hsp90)阻害剤を使用したこれらの蛋白群の発現抑制により、化学放射線療法耐性が克服された。本研究は浸潤性膀胱癌のErbB2、NFκBの発現により、化学放射線療法の適切な治療対照群の選別の可能性、Hsp90阻害剤による化学放射線療法耐性の克服の可能性を示すものである。
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