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2008 年度 実績報告書

尿意に対する中枢神経機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19791107
研究機関大阪大学

研究代表者

高尾 徹也  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30379177)

キーワード排尿 / PET / 尿意
研究概要

PETを用いて健常成人における尿意を感じる際の脳活性化部位の検討をおこなった。初期尿意では、両側小脳、右海馬傍回、左上前頭葉、左帯状回が活性化され、最大尿意では両側小脳、左下前頭葉、左淡蒼球、島(右側)、左中脳、左視床が活性化されていた。中脳水道灰白質と橋排尿中枢はROI解析を行うと有意に血流の増加があった。小脳は、1)強い尿意を感じるとき、2)排尿時、3)骨盤筋群の収縮時に活性化されるという報告があるが、初期尿意、最大尿意でも活性化されていた。初期尿意時に左帯状回(BA32)と右海馬傍回(BA30)の血流増加および右帯状回(BA32)、右鈎(BA28)の血流低下がみられた。排尿時や最大尿意で前部帯状回が関与する(血流増加)という報告がある。逆に最大尿意時に右前部帯状回の血流が低下するという報告もある。帯状回の活性化が膀胱容量の増加とともに起こるが、帯状回の別の部位では尿意で血流が減少するという報告がある。今回の検討では帯状回の血流で左右差が見られ、複雑な制御が関与している可能性が示唆された。帯状回や海馬傍回は辺縁系を構成しており、恒常性の維持、攻撃と防御などの闘争行動、性行動や繁殖行動等の重要な働きを担っている。また辺縁系は情緒記憶にも関与している。内臓知覚の刺激で辺縁系が活性化されるという報告がある。初期尿意も内臓刺激の一つとして辺縁系が活性化された可能性がある。左上前頭葉(BA9)は、記憶情報の評価などに関わるとされており、辺縁系へ神経線維の連絡もあるとされている。また冷水を膀胱内注入すると活性化されるという報告がある。温度知覚だけでなく、初期尿意とも関連が示唆された。今回、尿意、特に初期尿意に関する脳活性化部位を同定してきたが、今後の病的な尿意の解明のための基礎的研究となり有意義な結果が得られたと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Brain response during the first desire to void : A positron emission tomography study2008

    • 著者名/発表者名
      Takao T, Tsujimura A, et.al.
    • 雑誌名

      International Journal of Urology 15

      ページ: 724-728

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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