平成20年度は維持透析患者12名に対し、アスコルビン酸を投与しつつ、血清アスコルビン酸値、血清シュウ酸値、エリスロポエチン投与量を比較した。アスコルビン酸投与量は500mg×週3回を8ヶ月間投与し、前後で比較した。エリスロポエチン投与量は補正のために、1週間あたりの投与量をヘマトクリット(Ht)で除した値を比較した。 比較は、アスコルビン酸値、シュウ酸値についてはPaired-t検定を用い、エリスロポエチン投与量についてはMann-Whitney順位和検定を用いた。 測定はキャピラリー電気泳動法を用いた。 投与前後での変化は、アスコルビン酸(μmol/l)28.0±10.18→66.7±8.78、シュウ酸(μmol/l)113.8±13.2→141.27±11.4で有意に上昇していた(p<0.01)。 エリスロポエチン投与量(IU/週/Ht)は93.7±84.41→83.91±45.68であり、有意に減少していた(p<0.05)。 アスコルビン酸投与により、血清アスコルビン酸値は上昇し、エリスロポエチン投与量を減少できる可能性が考えられた。しかし、アスコルビン酸投与により、血清シュウ酸値の上昇もみられたため、注意して投与する必要がある。
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