今回の研究の結果では、透析患者ではアスコルビン酸を投与されていない場合、ほとんどの症例で低アスコルビン酸血症を呈していた。これに対し、透析患者にアスコルビン酸を投与すると血清アスコルビン酸値、トランスフェリン飽和率の上昇が見られ、エリスロポエチン投与量を減量することができた。 これまでは機能的鉄欠乏によるエリスロポエチン抵抗性貧血に対し、アスコルビン酸投与が有効と言われてきた。しかし、機能的鉄欠乏が存在しなくても、アスコルビン酸投与によりエリスロポエチン投与量減量が可能であった。 ただし、アスコルビン酸投与により、血清シュウ酸値の上昇を認めるため注意が必要である。
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