研究概要 |
DNAマイクロアレイによるマウス腎結石形成・消失に関わる遺伝子群の同定 結石モデルマウスの手法を用いて,wild-typeマウスとOPNノックアウトマウスに対し,80mg/kgのグリオキシル酸を腹腔内投与することによりシュウ酸カルシウム結晶を誘発した。準備実験同様,結晶形成はwild-typeの3日目より生じ,6日目をピークとして消失した。腎よりtotalRNAを抽出し,マイクロアレイ解析を行った。マイクロアレイデータをデータマイニングソフトにて解析し,結石形成期(day3-6)および結石消失期(day9-15)に特異的な発現の変化を抽出した。Gene Ontology解析ソフトウェアを用い抽出された遺伝子群が属する分子機能カテゴリーを抽出した。その結果,有意に発現増加したのは,結石形成・消失期を通して炎症・免疫関連遺伝子群であった。また有意に発現低下したのは,結石形成期に脂質代謝関連遺伝子群と,結石消失期に抗酸化ストレス関連遺伝子群であった。現在抽出された遺伝子を中心に,定量PCRによる発現定量を再検している。 腎結石消失に関わるマクロファージ機能の解明 wild-typeマウスの腎に対し,マウスマクロファージ染色(F4/80免疫染色)を施行した。経日的に,腎間質にマクロファージが増加した。平成20年3月マクロファージ機能不全マウス(B6C3Fe a/a-Csfop/Jマウス)ヘテロ型を搬入し,交配を開始した。
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